超高層オフィスビル開発「森ビル」 六本木・虎ノ門からインドネシアに飛び出すワケ



 不動産大手の森ビルは、インドネシアの首都ジャカルタ中心部で高さ266メートルとなる超高層ビルの開発に着手したと発表した。2021年の完成が目標だ。同社は六本木や虎ノ門など東京都港区を中心にビル開発を進めており、東南アジアでのオフィスビル開発は初めて。積極的な事業展開には、新たな需要を取り込みながら国内事業にも新たな息吹を吹き込もうとの遠望がみてとれる。

 ジャカルタ中心部の目抜き通りとして知られる「スティルマン通り」。道路渋滞解消策として都市高速鉄道の整備も進む一等地が、森ビルが開発を手がける新ビルの建設地だ。地上59階(地下4階)建てで延べ床面積は約19万平方メートル。オフィスや飲食テナントが入居する複合ビルで、高いセキュリティーと環境性能を兼ね備えるのが特徴だ。

 森ビルは昨年5月、シンガポールに海外展開のための法人を設立、東南アジアを中心に新たな投資機会をうかがってきた。すでに清水建設と現地企業の施工で工事に着手。ジャカルタは高品質オフィスビルの総床面積が東京都心部のわずか10分の1とされ、担当者は「森ビルの高品質なオフィスビルが受け入れられる素地がある」と新たな需要獲得に意気込む。

 辻慎吾社長(57)が就任時に「東京のグローバル化」と同時に掲げたのが、アジアを中心とした「海外事業の加速」で10年間で10プロジェクト、総額1兆円規模の投資を目標に掲げる。

 森ビルといえば、六本木などの「ヒルズ」ブランドに代表されるビル開発やエリアマネジメント事業の軸足を東京都心部に据え、今後も虎ノ門・新橋地区の再開発などが視野に入るが、実は海外にも第2の“おひざ元”と呼べる場所が存在する。1995年に故森稔前社長がビル開発案件を手がけた中国・上海だ。

 上海は1990年代にこれまでの市街地だった浦西地区に加えて、浦東地区での都市作りが進み、日本の金融機関や商社の事業進出の動きがあった一方、各企業が満足できるオフィス確保に悩んでいた。こうした中で森ビルが竣工(しゅんこう)した46階建ての「上海森茂国際大厦」は、1フロア1500平方メートルの無柱空間を実現。現地の日本企業や外資系企業の人気を集めた。

独自路線の森ビルが見据えるのは「東京再開発」




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