ウルグアイが世界初の中銀デジタル通貨を発行(NRI研究員の時事解説)



ウルグアイが世界初の中銀デジタル通貨「eペソ」を発行

2017年11月3日に南米ウルグアイの中央銀行が、世界初となる中銀デジタル通貨「eペソ」の発行を正式に発表し、世界を驚かせた。

中銀デジタル通貨発行については、スウェーデン中銀が検討の具体的なスケジュールを既に公表している。また、ロシア、中国などの主要国も、中銀デジタル通貨の発行を検討していることを明らかにしていた。その中で、南米の小国が世界に先駆けて中銀デジタル通貨を発行し、いわば俄かに競争の先頭に立ったことが、強い驚きを持って受け止められているのである。

半年間の試行

ただし、ウルグアイの中銀デジタル通貨は、現時点では半年という期限付きのテスト(パイロット・プログラム)という位置づけだ(注1)。規模と期限を限定した試験運用であるからこそ、世界に先駆けて中銀デジタル通貨の発行が可能になったといえる。

記者会見でウルグアイ中銀総裁は、これはビットコインのような仮想通貨ではなく、中央銀行が責任を持つ、法貨ウルグアイ・ペソ建てのデジタル通貨であることを強調している。

この中銀デジタル通貨は、国営通信会社ANTELの携帯電話利用者1万人を対象として発行される。そして、中銀デジタル通貨の保有者は、それを個人間の決済(peer-to-peer)や商店での買い物の決済に利用できるのである。

利用者はまず専用アプリをダウンロードし、国営決済会社Red Pagosの口座に中銀デジタル通貨をチャージする。これはスマートフォンでも、そうでない携帯電話でも利用できるという。

中銀デジタル通貨は当面のところは総額2,000万ウルグアイ・ペソ(約7,800万円)発行される予定であるが、そのうち既に700万ウルグアイ・ペソがRed Pagosにチャージされたという。最終的には、中銀デジタル通貨保有額の上限は、個人は一人当たり1,000ドル相当、企業は6,600ドル相当となるという。

中銀デジタル通貨発行の背景に現金のコスト

中銀デジタル通貨の試験的な発行を決めた背景として、ウルグアイ中銀総裁が挙げたのは、コストの問題である。現金の製造、輸送あるいは輸送に伴う警備費などが非常に高額になっている。また、脱税や資金洗浄(マネーロンダリング)対策も意識しているという(注2)。



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