“獺祭”がグローバルブランドになれた理由 – PRESIDENT Online



■「しがらみ」を打破する知恵と執念

日本酒好きで「獺祭(だっさい)」を知らない人はいないでしょう。純米大吟醸酒として日本一の出荷量を誇り、海外にも輸出されて人気を博しています。獺祭を生み出したのは、旭酒造会長の桜井博志氏。3代目社長を継いだ1984年にはほぼ倒産状態だったという山口県の零細酒蔵を再建し、日本酒のグローバルブランドを築きました。

その背景には、「徹底的においしい酒を造ろう」という桜井氏の熱い思いと、そのために日本酒業界のさまざまな「しがらみ」を打破するための知恵と執念がありました。従来、仕込みや醸造などのプロセスは、杜氏の暗黙知頼みで冬場にのみ行われてきました。そのプロセスをコンピュータで制御することにより、通年での酒造りを可能にし、誰が作業しても品質を維持できるよう、技術の標準化を行いました。

また、原料となる山田錦を増産するため、生産農家へのITを用いた収穫管理支援を行うなどして、おいしい日本酒を十分供給できる体制を構築しました。グローバルに日本酒のよさを訴え、多くの人々の生活や食卓を豊かにしたい、というビジョンに基づき、合理的な経営に変革し、酒造経営のビジネスモデルイノベーションを実現したのです。

桜井氏が体現しているように、新しい世界や社会を構想し、そこへ向けて自分がなすべきことを考え出し、主体的に実践し、幅広い人たちを巻き込んで世界を変えていく力を、イノベーションとリーダーシップをかけ合わせて「イノベーターシップ」と名づけました。




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