京大、iPS細胞を活用し新薬の候補発見 アルツハイマー病に効果、既存薬の併用で有効



 アルツハイマー病の患者から作製した人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使い、既存薬の中からアルツハイマー病の病因物質を減らす効果がある3種類の組み合わせを見つけたと、京都大iPS細胞研究所の井上治久教授(幹細胞医学)らのグループが発表した。21日に米科学誌「セル・リポーツ」電子版に掲載される。

 アルツハイマー病はアミロイドベータ(Aβ)と呼ばれるタンパク質が脳に蓄積されることで認知障害などを引き起こす神経疾患。現状では進行を止める治療法がなく、2050年には患者数は世界で1億人に達するとされる。

 グループは患者のiPS細胞から大脳皮質神経細胞を作製。既存の1258種類の薬を同細胞に投与してAβの生成を抑える効果を調べた結果、ブロモクリプチン(パーキンソン病治療薬)、クロモリン(ぜんそく治療薬)、トピラマート(てんかん治療薬)の組み合わせが最適と判明した。

 その後、同様に患者9人と健康な4人のiPS細胞から作った大脳皮質神経細胞にこれら3種類の薬を投与すると、いずれもAβ生成量が平均で4割減った。

 Aβは同病を発症する約20年前から増加するため、長期間の投薬が必要と考えられるという。グループは長期間服用しても安全性が確認されている既存薬を使用することで、臨床試験(治験)までの期間も短縮できるとしている。井上教授は「将来的には3種類の既存薬を軸に臨床試験を目指したい」と話した。




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