老人の経験と若者の夢が新しい社会を生む 世代がつくる摩擦を乗り越えて



【安西洋之のローカリゼーションマップ】

 20代の人たちが高校生ばかりが集まる場を「ガキばかりじゃない」と下に見る。40代あたりが「ここは大人のバーじゃないね」と20代の多い酒場を煙たがる。逆に「オヤジばっかりじゃない」と下の世代が上の世代が多い場を敬遠する。

 それだけではない。同世代ばかりの場をバカにすることで大人ぶるというケースもある。ぼくも20代の頃、40代以上の人が集まる小さなバーに通いつめ、何かを知った気になっていた。

 世代が作る風景には、そうした摩擦がつきものだ。が、このところ一番気になるのは老人が老人を嫌う現象だ。

 「どこに出かけたって老人ばかり。本当、嫌になる」と老人が嘆く。街のなかで、電車のなかで、ソーシャルメディアのなかで、あまりにこの種の嘆きが多い。

 自分と同じタイプばかりを見せつけられて落ち着きが悪いのは、年代の問題ばかりではない。どこの国の人でも、海外旅行にでかけて同胞ばかりに出くわすと、「せっかく違った顔つきを眺めて気分転換しようと思ったのに」とばかり損をした気になる。

 しかしながら、それも時間の問題で、しばらくして異邦人であることに飽き疲れると、同胞との出会いが心地よくなる。要するに「○○ばっかり」というのがウンザリする原因なのだ。

 女性は女性ばかりの場に「男性がいないじゃない」と不満を言いながら、「やはり女性同士は気楽でいいわね」とリラックスする。男性も「男ばかりで華がないなあ」と文句を言いながら、「突っ込んだ話題を気兼ねなく話せる」と肯定する。

同世代の毛嫌いに熱中すると社会的健全さを欠く




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