「地元には何もない」と言われる街に欠けた物 – 東洋経済オンライン



先日、「学芸員はがん」という山本幸三地方創生相の失言が話題になった。「地方創生とは稼ぐこと」と題した観光やインバウンドによる地方創生に関する講演後に、学芸員が文化財の保存や修復に重点を置くあまり、ミュージアム(博物館・美術館)の観光的価値を高めようとしないから、一掃しなくてはダメだ、という趣旨の発言をしたのである。

すでに多くの人が指摘しているとおり、違和感のある発言である。地方創生におけるミュージアムの役割とは、観光客を呼び込み、稼ぐためだけにあるのだろうか。今回は、地域におけるミュージアムの役割を考えていきたい。

■ドイツ人が余暇にミュージアムへ行く3つの理由

筆者が住むドイツには、全国に6300館を超える数のミュージアムがある。ドイツ博物館(ミュンヘン)やベルガモン博物館(ベルリン)など、日本向けの観光ガイドにも掲載されるような有名ミュージアムは、外国から大勢の客を呼び込み、まさしく「観光資源」だ。

その一方で、外国人に好まれるような華やかさはなくても、どっしり地域に根づいたミュージアムもある。こうしたところで大掛かりな展覧会が開かれると、休日には住民が家族連れでやってくる。親子3世代で足を運ぶことも珍しくない。

もっとも、余暇をミュージアムで過ごす市民が多くいる背景には、ドイツ特有の事情がある。まず、週末の過ごし方としてミュージアムへ行くことが選ばれやすい。ドイツでは、法律によって日曜日の小売店の営業が禁止されている。




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