脅しに屈しない露富豪の経営手腕



 ロシアの富豪、ドミトリー・カメンシチク氏(49)は空港運営で財を築いた。犯罪組織やプーチン政権下の司法当局と闘いながら、ドモジェドボ国際空港の単独オーナーに就き、自身の地位を守ってきた。

 プーチン氏にも脅かされない経営手腕の源泉は、同氏の生存本能にあるかもしれない。

 ◆運命変えた報告書

 ソビエト連邦崩壊から間もない1992年当時、同氏はモスクワ郊外の荒れ果てた空港から国際貨物便を手配することで荒稼ぎしていた。そこに2人組の強盗が押し入り現金を要求した。同氏の事務所に当時から働いていたエレーナ・タルシスさんは次の瞬間に起きたことを決して忘れない。

 「強盗が私の息子の頭に銃を突きつけた」と話すタルシスさんによれば、武道の達人であるカメンシチク氏は強盗を一突きし、同僚と一緒になって銃を取り上げたのだという。

 ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば、同空港を欧州で最も忙しいハブ空港の一つに押し上げたカメンシチク氏の資産は30億ドル(約3400億円)。かつてはアマチュアのスタントパイロットだった同氏が次に目指すのは、国営アエロフロート・ロシア航空が本拠とするシェレメチェボ国際空港からロシア最大の空港というタイトルを奪い返すことだ。

 ブルームバーグのモスクワ支局で2時間に及ぶインタビューに答えたカメンシチク氏は「ドモジェドボは恐らくロシアで最も監査の厳しい一社だ。われわれが生き残る唯一の道は法律を注意深く順守することだ」と語った。




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