米国、ユネスコ脱退通告 「反イスラエル」に懸念強調



 【ワシントン=加納宏幸】米国務省は12日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)のイリナ・ボコバ事務局長に対し、米国としてユネスコから脱退すると通告した。加盟国からの分担金滞納の増加や組織改革の必要性、さらにユネスコの見解に「反イスラエル」の傾向があることに対して懸念を示すためだとしている。

 国務省のナウアート報道官は声明で「今回の決定は安易に出したわけではない」と強調した。

 ユネスコ憲章の規定により、米国は2018年末までとどまることになるが、脱退以降は正式な加盟国ではなくオブザーバーとして参加するという。声明は理由について「世界遺産の保護を含む重要課題で米国の見解を提供するため」としている。

 ユネスコの執行委員会は今年7月、イスラム圏の7カ国が提案した世界遺産「エルサレムの旧市街とその城壁群」の保護に関する決議案を賛成多数で採択。イスラエルは聖地がユダヤ名の「神殿の丘」と表記されていないことに強く抗議していた。

 米外交誌「フォーリン・ポリシー」によると、ティラーソン国務長官は数週間前に脱退方針を決定した。トランプ大統領もユネスコ本部があるフランスのマクロン大統領に方針を伝達したという。

 米国は1980年代に一時ユネスコを脱退し、2003年に復帰。ユネスコをめぐっては、中国が世界記憶遺産に申請していた「南京大虐殺文書」の登録を決めるなど、政治的な偏向が問題視されてきた。




こんな記事もよく読まれています



コメントを残す