イラン核合意 米、圧力強化で「実」狙う



 トランプ米大統領のイラン核合意破棄という主張と、同国が核保有国への道を再び歩むことに対する国際社会の懸念にどう折り合いを付けるかが米政府にとっての課題だった。トランプ政権は核合意にとどまりつつも弾道ミサイル開発やテロ組織支援を理由にイランへの圧力を強化して実を取る路線を選んだ。

 ティラーソン国務長官は12日、「核兵器計画の進展は大きな懸念の一つだが、イランの地域を不安定化させる活動というより差し迫った懸念がある」と述べた。核開発を弾道ミサイル開発や、米国がテロ組織に指定しているレバノンの武装組織ヒズボラへの支援といったイランがもたらす脅威の一部として位置付けることで、「広範な戦略的アプローチ」に昇華させる考えを示したものだ。

 トランプ氏は大統領選で、イランに核開発の道を残しつつ欧米などが制裁を解除する核合意をオバマ前大統領による負の遺産と位置付け、同国と敵対するイスラエルに同情的な共和党支持層を引きつけた。合意破棄は有権者との約束だ。

 だが、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に続き核合意を破棄すれば米国への信頼は低下する。米議会では中東での核軍拡競争を招き、北朝鮮に核開発を進める口実を与えるとの声が出ていた。

 トランプ政権は合意を維持し、国際原子力機関(IAEA)による軍施設の査察実施や核開発制限が10~15年で期限を迎える条項の見直しを求める考えだ。(ワシントン 加納宏幸)




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