真偽定かでない「物乞い」発言よりも深刻。鎮まらない中国の嫌韓感情と韓国企業の絶望(慎武宏)




「韓国への旅行を禁止する」という中国の“禁韓令”が今年3月15日に発動してから、早いもので6カ月が経とうとしている。

事の発端となった韓国の「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」は、9月7日に追加配備されており、中韓関係のさらなる複雑化は免れないだろう。

中国人観光客&売り上げが激減

実際、7月に訪韓した中国人観光客は1年前に比べて69%も減っており、8月もそうした状況は変わらなかったという。8月下旬から9月初旬にかけてソウルに滞在していたが、明洞(ミョンドン)など、かつて中国人観光客でごった返していた繁華街でも、中国人観光客をさほど見かけなかったほど、深刻な状況だ。

だが、サード云々以前から中国人観光客の“韓国離れ”は進んでいたという指摘もあるだけに、禁韓令がすべての原因とは言い切れないだろう。

(参考記事:「もう二度とごめんだ!!」 中国人観光客が韓国にガッカリする理由とは

窮地に立たされているのは、中国国内に進出している韓国企業だ。

韓国メディアによると、中国にある大型スーパー「ロッテマート」は、今年3月からの中国当局による営業停止措置によって、99店舗のうち87店舗が営業停止状態になっている。年末までに損失額は1兆ウォン(約1000億円)に達すると危惧されており、現地店舗の半分を売却するという報道もあった。

自動車も化粧品も窮地に

韓国の自動車も、中国で売れなくなってきている。中国乗用車連席会議(CPCA)によると、今年7月までのヒュンダイ(現代)・起亜自動車の中国市場のシェアは4.18%。昨年の8.04%から半分近く下げている。

日本のホンダ(5.48%→6.45%)、トヨタ(5.34%→5.66%)、日産(50.7%→5.38%)がそろって増加していることを踏まえると、あまりに対照的だ。

以前、ヒュンダイ(現代)自動車の元CEOが「日本企業が中国市場に進出する際に韓国企業は協力できる」と話していたが、今現在の状況だけを見るとそれも難しいといわざるを得ない。

他にも、中国売り上げの比重が大きかった化粧品メーカーのアモーレパシフィックは、2分期の営業利益が昨年同期より58%も急減。中国の製菓市場で2位につけていたオリオンも、今年上半期の営業利益が昨年比64%も減少している。サムスン電子のスマートフォンも、中国でのシェアが7%台から2%台に急落してしまった。

「“ドル箱”だと思っていた13億人の中国市場が韓国企業の“墓場”になっている」などと、韓国メディアも嘆いているのが現状だ。

高まる中国の“嫌韓感情”

中国における嫌韓感情も高まる一方のようだ。

中国共産党の機関紙『人民日報』の姉妹紙『環球時報』は先日、社説で「THAAD配備を支持する韓国の保守主義者たちはキムチを食べて混迷しているのか」などとあからさまに非難したという。

中国で相次ぐ露骨な“嫌韓活動”が報じられることで、韓国国内でも中国に対する不満が続出しており、ネット上では「韓国企業は中国から撤退すべき」「中国とは断交すべき」といった過激な意見も飛び出ている。

(参考記事:「犬と韓国人の無断侵入を禁じる」中国で相次ぐ過激で露骨な“嫌韓活動”

中国だけでなく、トランプ米大統領が韓国を「物乞い」と発言したという報道が出るなど、昨今韓国に対する国際社会の声は厳しい。

<

p class=”nobr”>「物乞い」発言の真偽は不明なようだが、アメリカ人の10人に1人が韓国を「敵国」と見なしているというデータもあるだけに、気がかりだ。

(参考記事:10人に1人が韓国を「敵国」と見なす理由とは? すれ違うアメリカと韓国の国民感情の実態

いずれにしても中国の“禁韓令”がいつ終わるのか、先が見えない状況であることは間違いない。これ以上、感情的な対立は避けてほしいと思う今日この頃だが…。




こんな記事もよく読まれています



コメントを残す