残念ながら平昌五輪見物は危険でお勧めできず(団藤保晴)




 来年開く平昌冬季五輪の選手団と観客の大量輸送強化を目指した列車制御システムの試験が失敗しました。停止した機関車に自動停止が掛かるはずの後続の機関車が追突した失態で、韓国技術のいい加減さがまた露呈です。朝鮮日報の《平昌五輪用の列車2台が試運転中に衝突、7人死傷》は13日未明に追突した側の機関士(45)が死亡、追突された側を含めて6人が重軽傷と伝えました。報道ではこうなっています。

 《韓国鉄道公社(KORAIL)によると、2台の列車は最近、自動列車停止装置(ATP)の改良作業を終えて、この日は作動テストを実施していた。ATPは制限速度を超えたり前方に別の列車がいたりすると機関室に異常信号を送り、自動で列車を停止させる装置だ。2台の列車は来年2月に開幕する平昌冬季五輪で選手団と観客を円滑に輸送するために、水色-西原州区間(108.4キロ)の運行速度を従来の時速100キロから時速150キロに引き上げる予定だった。速度を速めると事故の危険も高まるため、ATPを改良したわけだ》

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 韓国聯合ニュースの《京義中央線で試運転機関車追突》(韓国語)から現場写真を引用しました。記事は《列車の自動防護装置(ATP・Automatic Train Protection)が通常の動作するかどうかなどの信号システム点検》《自動防護装置が完全に機能していないか動作中に異常を起こし、事故が起きた可能性が大きいと推定される》としています。

 鉄道労組からは《試運転の方法について機関士との事前協議もなく、後続の列車は、最悪の状況を設定するために、速度を最大限に高め、リスク運行を敢行するように指示》と不満の声が出ています。しかし、事前のシナリオ通りに試験しても意味はありませんし、自動停止が掛からなかった点だけでシステムの信頼性はゼロと言えます。

 実は韓国での失態は繰り返されているのです。『韓国で列車に乗るな:信号機の世界共通則を破る [BM時評』]で2014年の地下鉄追突事故を取り上げました。信号機が連動するポイント装置をいじったために、あり得ない青信号になる状態が4日間も放置されていました。延べ2000本もの列車が現場を通過した末の事故でした。あり得ない青信号のために自動停止は掛かりませんでした。

 今回の事故を見ると、非常に不便な平昌冬季五輪会場に大量の旅客を運ぶため無理をしている観があります。別の韓国の報道でも五輪期間に発生したら大きな災害に繋がると危惧、システムの欠陥を発見すべきとしています。


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