小池百合子はなぜ、外国語を頻発するのか(花田紀凱)



 小池百合子都知事、よほど『文藝春秋』がお好きらしい。

 都議選の時も『文藝春秋』(七月号)で「私の政権公約」を発表。今回も『文藝春秋』(十一月号)に「私は本気で政権を奪う」なる手記を発表している。

〈日本はいま、危機的な状況〉〈経済は停滞〉〈目まぐるしく変動する国際情勢の中で、日本は存在感を発揮できずにいる〉

 で、小池都知事としては、

〈このまま「安倍一強」政治に任せたままでいいのか。それとも、いまの日本をリセットして、エッジの立った改革を断行するのか――〉

 それを国民に問うために総選挙に挑むというわけだ。

 変動する国際情勢の中で、安倍総理によって日本はこれまでになく存在感を示しているとぼくは思っているが、それは置く。

 言いたいのは、小池都知事、なんで、そんなに外国語を多用するのかということだ。

〈日本をリセット〉〈エッジの立った改革〉……。

「日本を立て直す」「切れ味の鋭い改革」でいいではないか。

 これまでにも小池都知事、外国語を連発している。

「新しいパラダイム(概念)に変えたい」

「人口がピークアウトする」

「ダイバシティ(多様性)社会の確立」

「税金のワイズスペンディング(有効活用)」

「日本全体のロールモデル」

 その他にも「サスティナブル」やら「ガバナンス」「フィンテック」「ユビキタス」「レガシー」――。

 何もパラダイム、ダイバシティなどと言う必要もあるまい。「概念」、「多様性」で十分だ。

 極めつけが、「アウフヘーベン」(ドイツ語だ!)。

 9月25日、安倍総理の衆院解散をうけて会見。

「今までの議論をアウフヘーベンし、国民が希望を持てる政策を掲げるべき――」

「アウフヘーベン」なんて言葉、大学の哲学の授業以来久しぶりに聞いた。ヘーゲル哲学の用語で「止揚」「揚棄」なんて説明されても、さっぱりわからなかったものだ。

 記者たちも戸惑ったらしく、質問すると、小池都知事「アウフヘーベンはアウフヘーベンでしょう」。

 小池都知事、この「アウフヘーベン」という言葉がよほどお好きなようで、調べてみると、しょっ中使っている。

 6月の築地市場、豊洲移転会見でも、「二つの市場に関する議論をアウフヘーベンして――」。

『文藝春秋』七月号の手記でも、築地市場の改修案について、「百花繚乱の様相を呈しているが、ここはアウフヘーベンすることだ――」。

 そう言えば『文藝春秋』十一月号の手記の中で、小池都知事、「こんなことも書いていた。

〈私の好きなイギリスのサッチャー元首相の言葉に「コンセンサス(合意)ではなく、コンビクション(信念)の時代へ」というものがあります。いつまでも「NATO」(NO ACTION、TALK ONLY)と揶揄される国であってはなりません〉

 小池都知事はなぜこんなに外国語を多用するのか。

 ある心理学者によると、会話の中に外国語を多用する人は、「出来る自分、知的な自分をアピールしたい自己顕示欲か、逆にそのことに知識のない自分、出来ない自分を隠そうという意識か、どちらかだ」という。

 さて、小池都知事はどっちかな?




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