ドラフト指名を待つ独立リーグで好成績を収めた投手達(小中翔太)




 アマチュア選手にとって運命の日となるドラフト会議がいよいよ目前に迫ってきた。高校、大学、社会人と比べて注目度は高くない独立リーグの選手達だが、角中(ロッテ)や又吉(中日)のようにチームの主力へと成長する選手もいる。今季、好成績を残したのはどんな投手だろうか。勝ち星やセーブ数、防御率ではなくWHIPとFIPという2つの指標に注目してみた。

 WHIPは(被安打+与四球)÷投球回で計算され1イニングに何人の走者を出したかという投球の安定感を示す。目安は1.2を切れば優秀、1.0を切ればかなり優秀だ。今季のNPBでWHIPが1.0を切った投手は菅野(巨人)、マイコラス(巨人)、菊池(西武)の3人しかいない。

 FIPは(被本塁打×13+与四死球×3ー奪三振×2)÷投球回+3.12で計算され、投手の真の実力を示す指標と言われている。一般的に重視されるのは防御率だが、自責点となるか非自責点となるかは記録員の主観が絡む。それに対しFIPは計算の対象となるのが被本塁打、与四死球、奪三振だから全て客観的な事実であることに加え、野手の守備力による影響を受けない。防御率よりシーズン毎のバラツキが少なく次年度の成績を予測するという観点からでも有用な指標。防御率と似たような数値となることが多く、擬似防御率として見ることも出来る。

四国アイランドリーグplus

 唯一防御率1点台を叩き出したのが日本ハム、阪神、ヤクルトに在籍した正田。WHIPも0.96とだだ1人1.0を切る。FIPも2.58とかなり優秀だ。ただし正田は来月には36歳になる年齢であり、指名を受けるとは考えにくい。正田はリリーフとして優秀な成績を残したが、先発としてこれに匹敵する数字を残した選手が3人いる。

 嘉数勇人(高知) WHIP1.05 FIP2.60

昨季は主にリリーフとして38試合に登板し防御率2.25。今季はリーグ最多となる127回2/3を投げての数字だから安定感がある。ただ入団時には28歳となる年齢がネックか。

 伊藤翔(徳島) WHIP1.09 FIP2.51

独立リーグ日本一の立役者。高卒ルーキーながら5月に150km/hを記録すると6月に152km/hを計測し自己最速を更新。四死球率は1.92と制球力も高い。大学、社会人ではなく独立リーグを経て1年で即NPB入りとなれば新たなモデルケースを示せる。

 原田宥希(香川) WHIP1.09 FIP2.48

最速148km/hのサイドスロー。制球力が課題だったが今季は改善傾向が見られ、8月には巨人3軍を6回無安打9奪三振と好投している。

ルートインBCリーグ

 2007年に4球団でスタートしたリーグは続々と球団数を増やし現在は10球団。東西2地区、前後期制に分かれたリーグ戦を行い、今季は防御率1点台の投手が4人誕生した。防御率ベスト10の中でもWHIPとFIPで秀でている日本人投手はこの3人だ。

 渡邉雄大(新潟) WHIP1.06 FIP2.42

左サイドのクローザー。今季はイニング数を上回る三振を奪い、防御率1.29はリーグ1位。手足の長さを生かし、左殺しの中継ぎとして一花咲かせたい。

 寺岡寛治(石川) WHIP1.06 FIP1.99

高校時代は投手だったが大学では野手となり社会人で投手に再転向。最速155km/hと球威は十分。防御率1.52以上にFIP1.99という数字が光る。プロからの注目度も高い。

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p class=”nobr”> 高井ジュリアン(信濃) WHIP0.97 FIP2.68

昨季の8月に練習生から這い上がり、2年目となる今季は12勝2敗、防御率2.08と大きく躍進。特に117イニングを投げてWHIPは1.0を切るなど安定感は抜群。与四球率は1.23と制球の乱れから崩れることは無さそうだ。

ベースボールファーストリーグ

 独立リーグの1つだが日本独立リーグ野球機構には加盟していない。また、リーグに所属する兵庫ブルーサンダースは芦屋学園と提携しており、大学生選手も多数在籍する。芦屋学園高校野球部は高野連に加盟しておらず2014年の発足時には、甲子園を目指さない野球部として話題を呼んだ。野球を続けたいと願う選手に新たな選択肢を示したこのリーグ、昨季は育成枠ながら2人の選手がドラフトで指名を受けた。

 投手成績を見ると、かつて阪神のエースとして活躍した井川が11勝0敗、防御率1.10という好成績と共にWHIP0.74、FIP1.64という圧倒的な数字を残している。防御率で井川に続くのは黒田優斗、杉尾拓郎の2人で、防御率トップ3は兵庫が独占。ただし黒田、杉尾はどちらもWHIPは1.1を切るがFIPは3.5を超える。数字的にはもう一踏ん張り欲しいところだが、2年連続の指名なるか。




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