日韓米の法律家団体が米大統領に緊張解消を求め共同声明(まさのあつこ)




 トランプ米国大統領がアジアを歴訪中の11月6日に、国際的な法律家団体が、米韓日の大統領と首相に、軍事的緊張の解消に向けた行動を求める共同声明を発表した。

「トランプ米国大統領の日韓訪問に関する共同声明」は、国際民主法律家協会(IADL)、アジア太平洋法律家協会(COLAP)、日本国際法律家協会(JALISA)、民主社会のための弁護士会・米軍問題委員会(NINBYUN、韓国)、ナショナル・ロイヤーズ・ギルド(NGL、米国)の5団体が11月6日付けで発表した。

 その趣旨を語ったのはIADL副会長の笹本潤弁護士だ。

「トランプ米大統領は今年9月の国連総会で『北朝鮮を完全に破壊する』との発言を行ったが、国連創設の目的は戦争を繰り返さないことであり、国連憲章には問題解決に武力を使ってはならないと書かれている。朝鮮戦争は休戦し、休戦協定により中国軍は撤退したが、米国は未だに撤退せず、そればかりか済州島に世界最大の米軍基地を作った。休戦協定を違反しているのは米国であり、高高度防衛ミサイル(THAAD)を配備して緊張を高めている。休戦協定を恒久的な平和的条約にする必要がある。」

笹本潤弁護士(2017年11月6日筆者撮影)
笹本潤弁護士(2017年11月6日筆者撮影)

 具体的な要請(概要)は次の通り。

1.トランプ米大統領には、脅威を伴う無謀な行動を止め、北朝鮮を威嚇し、朝鮮半島の危機を高める日韓の米軍基地使用を止めること。

2.文韓国大統領と安倍首相には、THADD、米国原子力空母、戦略爆撃機、原子力潜水艦など戦略兵器の配備を許さないこと。

3.北朝鮮を威嚇する米韓合同軍事演習や斬首作戦を直ちに止めること。

4.文韓国大統領は、朝米の調停役としての役割を果たすこと。

5.安倍首相は、平和憲法における第9条の精神に基づいた公平な調停役であること。

 IADLのミコル・サビア弁護士は、次のように語った。

「先週、沖縄を訪れましたが、戦闘機がどこにでも飛んでいます。横田基地にも訪れましたが、日本は米国の世界戦略の一部です。世界には800もの米軍基地があり、そのほとんどがイタリア、ドイツ、日本、韓国に集中し、戦後70年以上が経つのに占領を続けている。米軍は、ドイツ、イタリア、オランダなど、核兵器を持たない国に核兵器を配置し、安全保障と経済の贈り物があると言うが、基地により住民が地域から追い出されている。」

 また、井上啓弁護士は、マーシャル諸島共和国のクワジェリン環礁にあるクワジェリン島とイバイ島について報告を行った。

「マーシャル諸島は米国が、1956年から1985年に渡ってビキニ環礁における水爆実験を行い、現在も『自由連合協定』と『合意』により、カリフォルニア州から大陸間弾道ミサイルの迎撃実験を行う場所となっている。島の米軍基地の中はまるでアメリカです。1986年に独立したのに何故そんなことが可能かと言えば、協定が核実験被害に対する賠償責任などを規定し、具体的なことを合意で定めるからです。日米安全保障条約と日米地位協定のようなものです。この合意は2066年まで効力を持ち、2086年まで延長する権利があり、「占領」が続きます。」

迎撃ミサイル実験の際に、地元住民も立入や漁業ができなくなる地域を占めす井上啓弁護士(2017年11月6日筆者撮影)
迎撃ミサイル実験の際に、地元住民も立入や漁業ができなくなる地域を占めす井上啓弁護士(2017年11月6日筆者撮影)

 先述の笹本潤副会長は、今後の活動について、「今後、アジア太平洋における米軍基地の実態を、地位協定や集団的自衛権問題までを含めて調査報告を行っていきたい」と述べた。


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