最下位チームからもMVPは選ばれる。今年のナ・リーグもそうなるのか(宇根夏樹)




 ア・リーグMVPのファイナリストは、3人ともポストシーズンに出場した。一方、ナ・リーグのファイナリストのうち、ポストシーズンの舞台に立ったのは、アリゾナ・ダイヤモンドバックスのポール・ゴールドシュミットだけだ。

 ジャンカルロ・スタントンジョーイ・ボトーがそれぞれプレーした、マイアミ・マーリンズとシンシナティ・レッズは、勝ち越すことすらできなかった。マーリンズは東地区2位ながら77勝85敗、レッズは中地区最下位の68勝94敗に終わった。

 これまでに、勝率5割未満のチームからMVPが選ばれたことはあるのだろうか。答はイエスだ。シカゴ・カブスのアーニー・バンクス(1958、59年)とアンドレ・ドーソン(1987年)、ボルティモア・オリオールズのカル・リプケンJr.(1991年)、テキサス・レンジャーズのアレックス・ロドリゲス(2003年)、ロサンゼルス・エンジェルスのマイク・トラウト(2016年)が受賞している。いずれの勝率もリーグ・ワーストではなかったが、ドーソンとロドリゲスのチームは地区最下位だった。

 今年のファイナリスト3人は、甲乙をつけるのが難しい。スタントンが放った59本塁打は、ボトーとゴールドシュミットより23本も多い。だが、ボトーとゴールドシュミットが.400以上の出塁率を記録したのに対し、スタントンは.376だ。ボトーとは78ポイントもの差がある。投票にあたっては、所属チームの成績を含め、他の面も考慮しただろうが、パワーと出塁のスタッツをどう判断するかは(個人的にはボトーを推し、実際に受賞するのも彼ではないかと見ている)、大きなファクターになったに違いない。

 また、過去には何度か、最多の1位票でなくても、MVPを受賞したこともある。近いところでは、1999年のア・リーグがそうだった。ボストン・レッドソックスのペドロ・マルティネスが8人から1位票を得たのに対し、レンジャーズのイバン・ロドリゲスは7人にとどまった。けれども、ロドリゲスはトータル・ポイントでペドロを上回り、MVPを手にした。1979年のナ・リーグでは、セントルイス・カーディナルスのキース・ヘルナンデス(1位票4)が、ピッツバーグ・パイレーツのウィリー・スタージェル(1位票10)とトータル・ポイントで並び、2人揃ってMVPを受賞した。

 現在の投票は、30人の記者(各フランチャイズ2人)によって行われ、それぞれが1位から10位までの選手を挙げる。1位が14ポイント、2位は9ポイントで、そこからは順に1ポイントずつ減っていく。すでに投票は終わっていて、結果は11月16日に発表される。


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