「強すぎる団体」「美しすぎる永井直也」「楽しすぎる集団演技」で日本を席巻!~青森大学男子新体操部(椎名桂子)



10月27~29日に千葉ポートアリーナで行われた第70回全日本新体操選手権。

男子は、青森大学の活躍が目立った大会となった。

全日本選手権4連覇を達成した青森大学団体
全日本選手権4連覇を達成した青森大学団体

団体は、今大会で4連覇の青森大学の優勝は、珍しいことではない。

が、今回は、団体だけでなく個人総合も青森大学の永井直也選手が優勝。青森大学にとっては2012年の松田陽樹(現在は男子新体操のプロパフォーマンス集団「BLUE TOKYO」のメンバーとして活躍中)以来の栄冠を勝ち取った。

個人総合優勝の永井直也選手
個人総合優勝の永井直也選手

さらに今大会では、関東圏での開催にもかかわらず補助役員として多くの青森大学の選手たちが動員されており、大会の支え手としても活躍。さらに、大会中はスーツ姿で奮闘していた彼らが、大会最終日のエキシビションでは、青大Tシャツにジャージ姿で大縄の集団演技を披露。

大縄の演技自体は、男子新体操ではよく行われるものだが、そのあまりのハイレベルな演技に、観客は度肝を抜かれ大喝采となった。

大喝采を浴びたエキシビションでの大縄の演技
大喝采を浴びたエキシビションでの大縄の演技

さらに、青森大学は、兄弟校の青森山田高校とともに、この全日本選手権の直後、11月2日には、地元・青森の八戸市で「道仏中・白銀中合同創立70周年」の演技発表会を行っている。極限の緊張を強いられる最高峰の大会からわずか4日後に、千葉から青森へ移動し、3,000人の大観衆の前で演技会。心身ともにタイトなはずだが、そこでも青森大学は、まさに「故郷に錦を飾る」素晴らしい演技を見せた。

●青森大学団体演技(2017/11/2の演技会の映像)

●永井直也「ロープ」(2017/11/2の演技会の映像)

その1週間後。

11月11日には、日本を大縦断して、宮崎県小林市の「Rhythmic Gymnastics Festival in Kobayashi」にも団体と永井選手がゲスト出演。

すでに青森大学に10人の卒業生を送り込んでいるという男子新体操の名門校・小林秀峰高校のお膝元で、小林出身の2選手の入った団体演技を披露した。

宮崎県小林市での演技披露<筆者撮影>
宮崎県小林市での演技披露<筆者撮影>

体育館を埋め尽くした観客が熱狂したことはもちろんだが、この演技会に出演していた選手たちがみんな、青森大学や永井選手の演技になるとウォーミングアップを中断して、フロアの少しでも近くで演技を見ようと集まり、瞬きもせずに見つめていた熱気には圧倒された。

男子新体操をやっている選手たちにとって、やはり「青森大学」の存在は別格なのだ。

青森大学の演技を見つめる出演者たち<筆者撮影>
青森大学の演技を見つめる出演者たち<筆者撮影>

この4年間、全日本インカレ、全日本選手権と無敗の青森大学団体だが、今年のメンバーは4年生が4人。この4人が一気に抜ける来シーズンは、青森大学といえど楽観はできない。

このシーズンオフのトレーニング、そして構成作りと、すでに来シーズンに向けてやるべきことは山積みだろうに、その多忙なスケジュールをぬって演技会には積極的に出演するのが青森大学だ。

とくに地元・青森や東北に関しては、「地域振興」における「男子新体操」の役割を自覚している。

その結果、2011年に青森で高校総体が開催されたのを契機にスタートした男子新体操のジュニアクラブ「BLUE TOKYO KIDS」も、すでに会員数が200名を超えるまでになった。競技クラスは全日本ジュニアにも個人、団体ともに出場するまでになり、かつては、県外の選手ばかりと揶揄されたこともある青森山田高校にも、BTKあがりの選手が増えてきている。

ついに来年度は、八戸にも「BLUE TOKYO KIDS」の支部がスタートするという。それができるのは、青森大学でしっかりと男子新体操を学んだ卒業生たちの指導者として力があってこそ、だ。

青森大学や青森山田高校が、全国大会でトップレベルの成績をとりつづけ、多くのメディアの注目も集める一方で、地元・青森に男子新体操の裾野を広げ、レベルを上げる活動にも取り組み、着実に成果を上げてきている。そこが青森の男子新体操の底力、なのだ。

また、青森大学の卒業生たちは、「BLUE TOKYO」というパフォーマンス集団としてエンターテイメントの世界で活動し、こちらも徐々に知名度、人気が上がってきている。彼らの活動が、男子新体操とエンターテイメントの親和性を知らしめてきたが、来年は、さらに男子新体操出身の要注目アーチストが誕生しそうだ。

今回の全日本選手権で個人総合初優勝を勝ち取った永井直也選手は、今までの男子新体操とはまったく違う表現を男子新体操に持ち込み、つねに注目と賞賛を集め、ときには物議も醸してきた選手だ。競技成績ではなかなか頂点に立てなかったが、最後の最後の全日本選手権では個人総合優勝。おそらく男子新体操選手としては「やりきった」という達成感があったのではないだろうか。

カリスマ的人気を誇った永井直也選手
カリスマ的人気を誇った永井直也選手

その永井も、来年3月には青森大学を卒業。

詳細はまだ発表されていないが、かねてより本人も「大学を卒業したらダンスの世界に進みたい」と口にしており、なんらかの形でエンターテイメントの世界に挑戦するものと思われる。

すでに、2016年には、AJYSYTZ「サイゼンセカイ」のMVへの出演もしている永井だが、今後は、「どんなジャンルのダンスでもやってみたい!」と意欲満々だ。

アクロバットのできる男子新体操出身者は、エンターテイメントの世界では重宝されており、活躍が目立っているが、純粋に「ダンス」で成功していると言える人は希少だ。永井直也は、その点で、今までの男子新体操出身者とは、現役時代から違っていた。

男子新体操の世界でも革命児だった彼ならば、ダンス、エンターテイメントの世界でも、なにかを切り拓いていくのではないか、そう期待してしまう。

今後の永井直也にも、おおいに注目したいと思う。

(※永井選手は、自らのTwitterで練習動画なども公開している。こちらもチェック!)

永井直也の「男子新体操選手」としての最後の演技と、今シーズンの青森大学団体演技を観ることのできる最後のチャンスが、12月3日にある。

岩手県北上市で行われる「KITAKAMI アーティスティックスポーツフェスタ2017」だ。

画像

全日本選手権で披露された青森大学の団体演技は、全日本インカレとほぼ同じ構成ではあるが、微妙に変わっている。とくに演技冒頭の動きはかなり違っているが、現在のものはインカレの演技よりもずっと「青森大学らしい強さ」がいかんなく発揮されていると思う。

この演技での青森大学は、まさに「完全無欠の無双ぶり」だ。

そして、永井直也の個人演技は、ラス前となった小林の演技会でも、丁寧に丁寧に思いを込めて演技していることが伝わってくる好演技だった。永井ファンならもちろん、まだ永井の演技を観たことがない人も、ぜひこの最後のチャンスを逃さずに、会場で、自分の目で見てほしいと思う。

ただし、簡単に北上まで行ける人ばかりではない。

そんな人たちには、11月25日からCS放送のスカイAで始まる「第70回全日本新体操選手権大会」の放送をぜひチェックしてほしい。

青森大学団体や永井直也選手はもちろん、他大学や他選手たち、もちろん女子の演技も魅力にあふれている。

自宅では視聴できない人は、一部のネットカフェでは「スカイA」の視聴が可能なので、新体操の魅力を堪能してほしい。

【スカイA放送予定】

●男子団体(予選・決勝)⇒11月25日(土)15:00~17:00

●女子団体総合⇒11月26日(日)15:00~17:00

●男子団体(予選・決勝)⇒12月7日(木)16:00~18:00

●女子団体総合⇒12月8日(金)16:00~18:00

●男子個人総合⇒12月11日(月)20:00~22:00

●女子個人総合⇒12月12日(火)20:00~22:00

●男子種目別決勝⇒12月18日(月)20:00~22:00

●女子種目別決勝⇒12月19日(火)20:00~22:00

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p class=”nobr”>●女子団体種目別決勝⇒12月21日(木)20:00~22:00

※その後も再放送あり

<動画提供:青森大学/写真提供:清水綾子>




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