何と! ホンダはマクラーレンに手切れ金を1ポンドも払っていなかったことが判明!(国沢光宏)




2015年にホンダがF1を再開して以後、初めて「スッキリした!」と思える話を聞いたので紹介したい。イタリアGPの後、ホンダとマクラーレンの別れ話は決定的になった、という経緯を皆さん御存知のことだろう。そこで1番大きなネックになっていたのが、いわゆる「手切れ金」(契約違反による賠償金)問題である。

以前も紹介した通りホンダがマクラーレンと結んでいた契約は一方的。少しだけ紹介しておくと「戦力のあるパワーユニットを提供することが義務」になっていたという。そして2015年シーズン直前のテストでホンダのパワーユニットはまともに走れないほどダメだった。

結果「これではとうてい勝負にならない」と契約間近だったスポンサーが降りてしまう。「その責任がホンダにある」となり、逃げられたスポンサーの分をホンダに負担させていたのである。本来ならパワーユニットを担当するメーカーの責任だけでは無いと思う。

加えて契約打ち切りを言い出した方が損害の負担をするという事項まであり、そのままズルズル2017年シーズンまで実質的なマクラーレンのメインスポンサーをしてきた。しかし今シーズンのマクラーレンの動きを見ると、明らかに「マクラーレン側から契約を止めたい」という流れ。

ただマクラーレン側から「契約を止める」とは言わない。メディアなど使いホンダの誹謗中傷を繰り返し、ホンダ側から契約破棄を言わせようという作戦だ。多くの関係者は「ホンダは少なからぬ手切れ金を支払い、さらに2018年シーズンも支払い義務が生じるだろう」。

欧州メディアはそう伝え、私もそう考え「2018年にホンダがマクラーレンとトロロッソに対し支払う総額は2017年と同じ」と書いた。しかし! ここからが本題である。WRC最終戦のオーストラリアで信頼すべき複数の関係筋から「ホンダは偉かったね。マクラーレンに1ポンドも支払わず契約を切った。感心したよ」。

驚いた! 早速ホンダの山本モータースポーツ部長に聞いてみたら「記者会見でも違約金は支払っていないと答えてます。国沢さんを含め皆さん信じてくれないだけです。ただ詳細な内容については契約上、教えられないんです」。この業界、当事者の一方的なコメントは信じない。

さらに取材をしてみたら、マクラーレンが開発していたごく一部のパーツ類(ハイブリッド関係)を残し、手切れ金や2018年シーズンを負担金など全く出す約束無し契約破棄出来たようだ。タフな交渉だったに違いない。けれど文頭に書いた通りスッキリしたと思うファンは多いだろう。

意外なことに他のチームやF1界の重鎮達もホンダに同情的で、応援してくれたという。なんのことはない。ホンダはF1の大切な仲間だと評価されていた、ということである。成績での体たらくに激怒しているだろう本田宗一郎さんも、今回の契約破棄の一件については「頑張ったじゃねぇか!」と言ってくれるだろう。

もちろんホンダのパワーユニットが依然として「イマイチ」の状況にあることは間違いなく、来シーズンに向けミッションを含めた駆動系も開発しなければならない。ここから『さくら』(開発チーム)の出番だ。今までのような情けない展開にならないことを期待しておく。11月26日の最終戦では2台揃って入賞か?


こんな記事もよく読まれています



コメントを残す