E-1日韓戦前日練習、韓国代表に緊張感。シン・テヨン監督「リオ五輪予選の失敗は繰り返さない」(吉崎エイジーニョ)




現在開催中のE-1サッカー選手権の「決勝戦」、日韓戦を控え韓国代表が前日練習を行った。韓国代表はここまで、9日の中国戦に2-2で引き分け、12日の北朝鮮戦に1-0で勝利。1勝1分で4チーム中2位につける。

明日16日の大会最終日では首位の日本(2勝)と対戦する。練習に先立ち、シン・テヨン監督と今季KリーグMVPのMFイ・ジェソン(全北)が取材に応じた。シン・テヨン監督には「国民感情として日本に勝ってほしいと思うが」といった質問が飛ぶなど、これまでとは違う緊張感があった。現場での全コメントを。

シン・テヨン監督 「日本戦は過程より結果」

ーー今回の試合はワールドカップを準備する過程のものではあります。いっぽうで、国民感情とでもいうべきか、日本戦には勝ってほしい気持ちがあります。最近の7年間、日本戦では2分3敗。選手、監督もこれを意識しないわけにはいかないと思うが。

韓国代表は2018年ロシアワールドカップへ向かう過程にあります。選手やコーチングスタッフは勝つために準備をしている。明日の試合には良い姿を見せられるよう、昨日は(練習をオフにしたことで)充電し、選手一人ひとりが「絶対に勝つ」という気持ちでひとつになっています。

ーー昨日は練習を休みにしました。その時間で今大会の日本戦の映像もご覧になったかと思いますが、話せる範囲で具体的な対策を教えてください。

日本は、初戦から徐々によくなってきていると感じます。日本は本当に精密なサッカーをするので、そういった部分への対策を考えているところです。

ーー11月のAマッチウィークで活躍したイ・グノ選手がこの大会、ここまでプレーしていません。明日は出場できる状態にあるのでしょうか。

イ・グノ選手はKリーグでかなりの試合数プレーをし、疲労が溜まっている状態です。コンディションが良くないのは確かです。ただ、今現在は、非常に上がってきていると言えます。明日の試合は少なくとも出場は可能なコンディションではないか。そういう風に観ています。

11月のAマッチで大活躍を見せたイ・グノ。いまやW杯へ向かうチームのキープレーヤーのひとりだ
11月のAマッチで大活躍を見せたイ・グノ。いまやW杯へ向かうチームのキープレーヤーのひとりだ

ーーこの大会は選手を試す、という性質があることは確かでしょう。一方で韓日戦は結果が一番重要と言えます。そのあたりのバランスはどう考えていますか。

韓日戦については、過程よりも結果が重要だと考えています。日本と試合をしていくなかで、私達がつくってきた攻撃パターンがどう通じるのかも重要ですが、何よりも結果が重要。過程よりも結果を残すための戦いになるでしょう。

ーーシン・テヨン監督ご自身が直接経験された日本戦と言えば、(U-23監督時代の)昨年のリオ五輪アジア予選(U-23アジアカップ選手権決勝)がありますよね。その時の経験が参考になる部分があるでしょうか?

あの時、私達の最大の目的はリオ五輪出場にありました。それを達成した後の試合でした。実際のところ、メンタルの部分でその点は影響がありました。しかし、今回は大会の優勝か準優勝かを分ける戦いになる。優勝するための戦いです。いっぽうであのリオ五輪予選の時、日本に敗れて、私自身指導者としての経験を積むことができた。ゲームコントロールに関する考えがより深くなった。ああいった失敗はもう繰り返してはならない。だからこそ明日は、ゲームコントロールについて考えながらも結果を求めていきたい。

ーーチームの中にはJリーグでプレーする選手も多い。彼らを通じて情報を得ることはあるか。

日本の全体的な絵、つまりハリルホジッチ監督がどういったサッカーをしようとしているのかについては、当然コーチングスタッフが分析をしているところです。いっぽう、日本の選手個々人の長所・短所については選手たちの間で共有しています。この先の時間でコーチングスタッフが必要であれば、もちろんJリーグ組の選手たちにも話を聞いていきますよ。いい形で共有していければ。そう考えています。

イ・ジェソン「シーズン最後の試合。勝って終わりたい」

プレーヤーの中からは、イ・グノと並ぶ今大会の看板スター、イ・ジェソンが取材に応じた。柔軟な技術を誇るレフティは、2017年KリーグMVPにして、欧州進出に最も近い男と認識される。欧州組が戻ってもレギュラーを譲らない力を持つ彼が言う、日本の要警戒選手はアジアチャンピオンズリーグで対戦したMFだった。

(本人から話を始めて)

大会が始まってから、こういう重要な試合があるだろうと予想をしていました。決勝戦であるからこそ、選手もこの試合を重要だと考えています。ファンの皆様も勝利を望んでいるので明日は必ず勝利をプレゼントしたいです。レッドデビル(韓国代表サポーター)の方もさらに20人ほど東京に来てくださると聞いています。選手にとっても大きな力となるでしょう。

ーー重要な試合を前に、昨日は練習がオフになり休息を取った。どんな効果があったでしょうか。

昨日のオフを通じて、体力的、メンタル的に回復した状態になっています。明日の試合でいい姿を見せてこそ、良い休みだったと言える。日本はトレーニングをした、という情報は聞いていますが、韓国はオフにすることがベストだと(監督が)判断をされたということです。

ーー今大会の日本の試合を観たと思いますが、どういったところが勝敗のポイントになると思いますか?

まずは日本の選手たちは非常にショートパスが上手く、スペースを使う巧さも見せています。さらに重要な部分はどんなかたちにせよ、後半の最後には勝っているという点ですよね。強さの証拠だと思います。そういった部分をしっかりと考慮しながら、90分のなかで勝負をしていきたい。

ーー日本の選手のなかで注目すべき選手、あるいは知っている選手がいますか?

2年前にガンバ大阪とACLで戦った時、今野(泰幸)選手が印象に残っていますね。ボランチの位置から全北の守備エリアに上手く顔を出していた。そういった相手の攻撃に対しても、こちらは協力して組織的な守備をやっていきたい。

中盤のマルチロール、イ・ジェソン。今大会では右サイドから左足を使ってのカットインで度々好プレーを披露
中盤のマルチロール、イ・ジェソン。今大会では右サイドから左足を使ってのカットインで度々好プレーを披露

ーーこの一年、イ・ジェソン選手には良いことがとても多かったと思います。明日が最後の試合になりますね。

ここに招集されている選手ももちろん、監督以下コーチングスタッフのみなさんも苦労を共にしている関係です。一生懸命準備してきたからこそ、最後の試合で勝利をして、すべてが楽な気持ちでオフに入りたいです。ワールドカップの準備をするにあたり、いい方向にチームを持っていきます。

ーー中国戦、北朝鮮戦とは違ったプレッシャーがあるのでは?

プレッシャーはあるのはあります。それは代表選手であれば受けて立たなくてはならないもの。ワールドカップという大きな舞台ではまたプレッシャーを経験しますよね。こういった大会を通じてもプレッシャーを軽減する方法を学ぶべきだと考えています。勝ち抜く方法を考える、というか。

ーー2010年以降は、対戦成績で日本が優勢です。そういったプレッシャーがありますか?

そういったプレッシャーよりも、どんなときにも勝たないといけないという考えを持っています。僕個人は日本戦で多くプレーしたことはない。どの状況でも、ファンの皆様に勝つ姿をお見せしたいと考えています。(インタビュー了)

3バック、4バック併用論者としても知られるシン・テヨン監督。本大会でも中国戦で4バック、北朝鮮戦で3バックを採用した。日本戦ではどちらを採用するのか。さらにイ・グノの起用法も焦点のひとつになる。今季、Kリーグクラシック(1部)に昇格したばかりの江原FCに移籍し、パフォーマンスを取り戻した。11月のコロンビア戦(2-1勝利)では、2トップの位置から右サイドに度々流れ、好機を幾度となく演出。イ・ジェソンと並び、欧州組が戻ってもポジションを譲らないと見られる存在となっている。

(写真はすべて筆者が撮影)




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