冬型の気圧配置の正月 大雪警報の発表基準は、次第に短い時間の降雪量に変わっている(饒村曜)



冬型の気圧配置の正月

 強い寒気を伴った低気圧が北日本を通過し、日本付近は西高東低の冬型の気圧配置の正月と

なる見込みです。

 北日本上空の約5000メートルには、氷点下36度以下の非常に冷たい寒気が入ってきます。

 この氷点下36度は、大雪となる目安の温度ですので、北日本や北陸地方は、大雪警報が発表となる正月になる可能性があります。

大雪警報の基準

 大雪警報は、大雪によって重大な災害の起こるおそれがある旨を警告して発表するもので、その基準値は、生活様式の変化や防災対策の進捗、予報技術の進歩などを背景に、地域の実情に合わせて絶えず見直しが行われています。

 大雪警報の基準は24時間降雪量のところが多かったのですが、北海道と東北地方から12時間降雪量へと変更になるなど、短い時間の降雪量に変更する傾向にあります。また、発表地域を細分する傾向にあります。

 これは、雪が積もり始めてから1日たたないうちに迅速な除雪が可能になるなど除雪体制が整備されたこと、まとまった強い雪のほとんどが12時間以内で収まるのですが、その場合、雪の止んでいる地方の大雪警報の解除を早くするためです。

 さらに、雪は同じ市町村でも高度が違うと降り方が大きく違いますので、山沿いと平地で基準をわける場合がありますが、この境目の高度は、民家や交通機関の集中する平野部での予報をより実状にあわせた形で出せるよう低くする傾向があります。

平成21年(2009年)の大雪警報の基準変更

 平成21年(2009年)12月1日より、青森県、山形県、福島県の大雪警報の基準が変更になっています。

 青森県では、全県一つから県内7細分地域ごとに、24時間降雪量から12時間時間降雪量に、山沿いの区分を標高200メートル以上からに150メートル以上に変更しています。 

 このため、標高198メートルの青森空港付近では、青森県の平地ということで「24時間降雪量が50センチ」だったのが、青森市のある細分地域「東青津軽」の山沿いということで「12時間降雪量が50センチ」と変更になりました。

 平成21年(2009年)の大雪警報の基準変更で、北海道と東北地方は12時間降雪量が、それ以外の地方では24時間降雪量が基準となりました。

 現在は、もっと短い時間の降雪量を基準とするところが多くなっています(表1)。

表1 大雪警報の発表基準例(気象庁ホームページをもとに著者作成)
表1 大雪警報の発表基準例(気象庁ホームページをもとに著者作成)

降雪量だけでなく気温等にも注意

 大雪が降ったときの行動は、量だけでなく、積雪状態も大きな影響をあたえます。

 同じ降雪量でも、気温が低い時のサラサラした雪より、気温が高いときのベタベタした雪のほうが雪かき時に大変ですし、融けた雪が再び凍ってアイスバーンになると転倒事故や交通事故が急増します。

 降雪量の予報だけでなく、気温の情報も合わせて考える必要があります。

 青森出身の太宰治が、昭和19年(1944年)に発表した春の紀行文「津軽」の冒頭で、「こな雪、つぶ雪、わた雪、みづ雪、かた雪、ざらめ雪、こほり雪」と7つの雪を並べていますが、これらは全て積雪状態を表す当時の言葉です(表2)。

表2 積雪の種類と名称(昭和10年代に毎年発行の東奥年鑑の「気象の常識」より)
表2 積雪の種類と名称(昭和10年代に毎年発行の東奥年鑑の「気象の常識」より)

 現在の積雪用語の定義とは違いますが、太宰治の時代は、人力にしろ馬力にしろ、冬場に物を運ぶときの労苦は積雪面の状態に大きく左右されていました。

 このため、「重量物を運ぶのはかた雪のとき」などと、積雪の状態に強い関心をもって生活していました。

 昔の生活では積雪状態が非常に重要な情報でしたが、今でも無視できない観点です。

 雪に関する情報が発表になったら、積雪量だけを確認するのではなく、気温などの他の気象状況も合わせて確認することが大切です。

 車社会になり、路面に雪があるかないか程度の認識の人が多くなりましたが、今でも積雪に強い関心を持っている人たちがいます。

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p class=”nobr”> それは、道路管理者です。

 年末年始も関係なく、24時間体制できめ細かく積雪の状態を監祝し、「事故が起きやすいこほり雪」にならないための対策など、事故防止に必要な対策をすばやくとっています。




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