好かれる上司はなぜ「フィードバック」より「フィードフォワード」を使うのか?(横山信弘)



「フィードバック」は大事だと言うけれど……

管理者研修を受講したら「部下育成のためにフィードバックをしているか」と問い掛けられた。確か、やっていない。やっていたとしてもじゅうぶんじゃない。もっとフィードバックをして部下を育てなければ……。あなたはそのように思っていませんか。しかしフィードバックをすればするほど、部下の気持ちが離れていくことがあります。

私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。経営者、管理者を集めて、研修をすることが多くあります。確かに、部下育成にフィードバックは必要です。しかしフィードバックが必要だ、と伝えると日本の管理者たちは誤解することが多い。

フィードバック=ダメ出し

と受け取る上司が多すぎるのです。

「ダメ出し」はやりやすい

当然のことながら、「ダメ出し」が多い上司は部下から好かれません。部下から好かれなくてもいい上司も多いでしょうが、部下育成につながらないダメ出しは決していいものではありません。

部下のよい面に意識を向けず、わるい面にばかりフォーカスする思考のクセがある場合、確かに、「ダメ出し」はとてもやりやすいと言えます。簡単に部下の行動や態度、発言などのわるい部分を指摘できるからです。

研修中、

あなたの部下の、改善してほしいところを10個、1分以内に書いてください

と言うと、多くの管理者たちは1分もかけずに10個を書きます。10個どころか、15個、20個書く人もいます。

いっぽう、

あなたの部下の、伸ばしてほしいところを10個、1分以内に書いてください

と言うと、多くの管理者は頭を抱えはじめます。5個出ればいいところ。2個や3個ぐらいしか書けない人が大半です。以前、ひとつも書けない管理者がいて、驚かされたことがありました。

日本人の悪いクセ

日本人は「ゼロから1」を創りだすより、「1から2や3」にするほうが得意です。何もないものより、すでにあるものに焦点を合わせ、それを改善する思考パターンです。したがって、過去を振り返ることも得意。

日本人の会議が長いのは、過去を振り返ってばかりだからです。報告事項に時間を費やし、未来に向けた提案や議論はほとんどありません。過去にばかり意識を向けていれば、後ろ向きの思考になってあたりまえです。

部下を育てられない上司は、部下の過去の振る舞いばかりにフォーカスしているからです。過去の延長線上に未来があると思うから、部下の「のびしろ」に目を向けることができません。

フィードバックよりフィードフォワード

「他人と過去は変えられない」とはよく言われることです。変えられない過去にばかり目を向けるのも、目を向けさせるのも、ほどほどにしておきましょう。部下とコミュニケーションする「2割」でいいのです。あとの「8割」は、変えられる未来に着目するのです。

「フィードバック」に対して「フィードフォワード」があります。コミュニケーションのテーマが過去の場合は「フィードバック」。未来の場合は「フィードフォワード」。

問題に焦点を合わせるのが「フィードバック」であり、未来に合わせるのが「フィードフォワード」。

「フィードバック」をしていると、どうしても部下個人に意識が向き過ぎてしまいます。上司であるあなたにも責任があったかもしれないのに、ついつい部下個人を責めるような言動になってしまう。

いっぽう「フィードフォワード」を続けていると、部下ひとりでは解決できないことが多いことに気付き、「どうしたらいいんだろう」と上司も一緒に考えるようになります。

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p class=”nobr”>誰にでもポテンシャルはあります。誰の未来にも可能性はあるのです。

フィード(feed)というのは「栄養を与える」という意味ですから、自分の未来の可能性に上司がいつも栄養を与えてくれたら、当然その上司のことを好きになるはず。

2割はフィードバック、8割はフィードフォワード、という考えで、あなたも部下と接してみませんか。




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