(朝鮮日報日本語版) 【社説】北朝鮮兵亡命で浮き彫りになったJSA警備の課題(朝鮮日報日本語版)



 一昨日午後3時を少し過ぎた頃、1人の北朝鮮兵士が板門店の共同警備区域(JSA)内にある軍事境界線を越えて韓国側に逃げ込んできた。北朝鮮はこの兵士に40発以上の銃撃を加えたが、兵士は韓国軍関係者らに救出されて直ちに病院に搬送され、手術を受けたものの今も危篤状態が続いているという。この周辺では1976年にも事件が起こっている。監視活動の邪魔になっているとしてポプラの木を伐採しようとした2人の米軍兵士に北朝鮮の兵士がおので襲い掛かり、殺害する事件が発生した。直後に米国と北朝鮮の間では一触即発の緊張状態がしばらく続いた。また1984年にはソ連人観光客1人が韓国側に亡命しようとしたため北朝鮮の兵士が銃撃し、これに韓国軍が応戦した結果、韓国軍1人、北朝鮮軍3人が死亡した。今回同じような事件がまたも発生したのだ。

 JSAは休戦協定に基づき非武装地帯内の東西800メートル、南北400メートルに設定された対話のための区域だ。ここではこれまで停戦管理委員会や南北当局者による数え切れないほど多くの会議が開催された。また数百人に上る外国の軍関係者もこの地域を行き来してきた。文字通り南北分断の現場ではあるが、一方で国際的な平和を管理する象徴的な場所でもある。ところが今回、この地を通して韓国に来ようとした人間に北朝鮮は40発以上の銃撃を加えた。体制から逃れようとする人間がいた場合、これを直ちに殺害しなければその後大量の逃亡者を阻止することができず、それが体制の崩壊につながらざるを得ないのが北朝鮮だ。その銃口は常に韓国側に向けられているが、今後はその銃口が核ミサイルになるかもしれない。北朝鮮は彼らの権力者たちの権力と生命を守るためなら、できることは何でもやってくるだろう。

 今回軍事境界線を越えて銃撃を受けた北朝鮮兵士は50メートルほど韓国側に入った場所に倒れたが、この兵士を救出するのに40分もかかった。また監視カメラに死角がある事実も今回明らかになった。北朝鮮の銃弾が南に飛んできた場合、これに警告射撃を行うとする交戦規則も守られなかった。もしこれが大量の逃亡につながる交戦状態だったなら、韓国側は必要な対応は何もできなかっただろう。JSAを警備する責任は韓国軍が負っているが、その指揮権は国連軍(米軍)が持つという現状も今後解決すべき課題だ。

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