ライブやフェスで「熱唱する観客」は迷惑か?(ダイヤモンド・オンライン)



● フジロックで多くの人から聞いた不満

 夏フェスのシーズンがやってきた。つい先日も、フジロック、ロック・イン・ジャパン と、大型フェスが立て続けに開催され、たくさんの観客が音楽の魅力に酔いしれた。

 著者も、先月末に行われたフジロックに参加してきた。そこで多くの参加者から聞いた不満が、「隣の人が大声で歌詞を熱唱していて、ミュージシャンの歌が聴こえなかった」といったものだ。人気アーティストのライブは、入場規制がかかったすし詰め状態で聴かなければいけないハメになるため、隣の人の声が特に気になったようである。

 ある30代の女性は、「横にいた男性が大声で歌っていて、ライブに集中できなかった。お前の歌を聴きに来たんじゃない、と思いました」と憤る。別の20代の女性は、後ろで熱唱していた男性に対して、「静かにしてください」と注意したという。

 歌詞を歌いやすい邦楽アーティストのライブで、特にこの問題が起こっているようだ。会場中の観客が熱唱して、まるでカラオケのような状態になることもある。しかし、クラッシックならいざ知らず、ライブとは本来、大人しく静かに観なければいけないものではない。まして、ロックフェスだ。アーティストによっては、歌詞をステージの大型スクリーンに表示する場合もある(フジロックでは、小沢健二がそうだった)。

 果たして、“ライブで観客が歌詞を熱唱する行為”は本当に迷惑なのだろうか。

● お金を払って、素人のカラオケを聴かされる地獄

 “観客に歌ってほしくない派”の意見を聞くと、なにも行儀よく静かにライブを観てほしいとだけ思っているわけではないことがわかる。アーティストが客席にマイクを向けて歌うことを煽る時には、むしろ大声で応えるべきだと思っているのである。

 しかし、そうではない時には、アーティストの歌声や演奏に集中したいと考えているようだ。また、これは著者のように身長が180センチ近くある人間には想像しにくいことだが、女性など小柄な人は、四方を熱唱している人に囲まれてしまうと、本当にまったくと言っていいほど、歌声や演奏が聴こえなくなってしまうそうである。

 前出の30代女性は、「歌に自信がある人ほど、大声で歌うように感じる。せっかくのライブなのに、他人の歌唱力自慢に付き合わなければいけないなんて、地獄です」と話す。「盛り上がる気持ちはわかるけど、最低限のマナーは守ってほしい」とも。

 せっかくお金を払って聴きに来たライブが、素人のカラオケにかき消されてしまう。確かにそれでは、あまりに不憫だ。著者はどちらかというと、のってきたらついつい熱唱してしまうタイプのため、少しは周囲に気を使うようにしなければと思う。

 一方で、本当にライブで観客が歌詞を熱唱することがマナー違反なのか、といった疑問は残る。ロックのライブとは、そんなにも堅苦しいものだったのだろうか、と。

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