世界のエリートが本の「多読」をしないワケ(東洋経済オンライン)



世界中から優秀な人物が集まり、しのぎを削る最高峰ビジネススクール、ハーバード。その学生は、古今東西、大量の本を読みあさっている、そんな「読書家」というイメージがあるのではないでしょうか。しかし、元・サンリオの常務で、現在はLINEの社外取締役やスタンフォードの客員研究員を務める鳩山玲人氏の見方は異なります。日本と海外の学び方の違いを元に、自身も実践する「必ず結果につなげる」本の読み方を紹介します。

■「日本の学生は本を読まない」は本当か? 

 ネット上のコラムで、日本とアメリカの大学生を比べた実態調査を見掛けました。

 「日本の大学生は4年間で100冊しか本を読まないが、アメリカの大学生は400冊読む。ハーバード大学やエール大学では1000冊は読む」といった趣旨のものです。

 調査の真偽はわかりませんが、私の実感は少し違います。ハーバードでもスタンフォードでも、ビジネススクールの学生に関しては、日本人も外国人も、どちらも、さほど本を読んでいません。

 私は、ハーバード・ビジネス・スクール(以下、HBS)に2年間留学し、現在はスタンフォード客員研究員を務める立場となりましたが、その印象は変わりません。彼らはほとんど本を読まない。より正確にいうならば、本を読むことを目的とせず、本をどう使うか、つまり実践に重きを置いているのです。

 HBSの授業の特徴は、ケースメソッド、つまり事例研究にあります。ケースメソッドとは、実際に起きた経営事例を課題にして、ディスカッションを行う手法です。企業で起こった事例(=ケース)を基に、経営管理・労務管理などの具体的な解決策を導き出します。

 ケースメソッドでは、ケースが書かれた資料を教材として使用します。資料には実際に起きた事例と、その事例を構成する事実情報が、15~25ページにわたって書かれています。ですが、それ以上の分析、解釈、授業で学ぶべき事項(知識や理論など)はいっさい、記されていません。学生は、事前に資料を読み込み、ケースを分析・検討し、具体的な解決策を準備したうえで、対話中心の授業に臨みます。

 教授による講義も、基本的にはありません。課題図書や教科書もありません。国籍も職業も異なる1クラス90人が馬蹄形の教室に座って、HBS教授陣のファシリテーション(進行)により、ディスカッションが進んでいきます。

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