串カツ田中、急速出店の秘訣は「渋谷」より「世田谷の住宅街」(ダイヤモンド・オンライン)



 外食チェーンはあの手この手で“胃袋”を奪い合っている。せっかく店でおなかを満たすなら、料理と共にそのビジネスモデルまで味わい尽くしたくはないか。『週刊ダイヤモンド』11月11日号の第1特集「味から儲けの仕組みまで 外食チェーン全格付け」の拡大版として、「週刊ダイヤモンド」と別テーマあるいは未掲載箇所をたっぷり盛り込んだ経営者たちのインタビューをお届けする。第9回は関東を中心に急速に拡大する串カツ田中の貫啓二社長に聞く。(『週刊ダイヤモンド』編集部 山本 輝)

 ──串カツに特化し、急成長しています。ここ5年で100店以上も増えました。

 とはいえ、まだ160店舗ですからね。業界の人が思っているほどお客さまでの中の知名度ってそんなに高くないはずですよ。

 串カツはまだまだ需要も少ない。僕らが需要を掘り起こしながら出店している状況です。だって、猛烈に「串カツが食べたい!」ってなることそんなにありますか?

 串カツという食文化を育てていきたい。今は串カツが食べたいお客さまだけでなく、「串カツ田中」の看板が目に留まって、「あ、ここでいいじゃん」と思うお客さまを増やすことも大事です。

 ──串カツ業態全体が拡大している?

 模倣してくるところも多いんですよ。でも、僕らは、似たようなのができたよって言われても「あ、そう?」みたいな感じ。

 そうした店って、僕らの店のないところに逃げるように出店していくんです。僕らはどんどん出店していますから、追いかけているわけじゃないけど、出店がぶつかる。すると向こうはほとんどギブアップする。

 何業態も持っている企業がちょっともうかりそうという気持ちで串カツに手を出しても、大体うまくいきませんね。熱量が全く違いますから。

 一番避けたいのは、そうした中途半端な串カツを出す競合が増えることで、「串カツってなんかもたれるよね」という負のイメージが広がること。そうなる前に串カツ田中が基準であると感じてもらえるよう、出店を急ぎます。

 しっかりとした志を持った競合が増えることで、串カツ市場が盛り上がるのが理想ですけどね。味に好みはあるでしょうが、少なくとも関東では、串カツでの一定の基準になっていると思います。

 ──フランチャイズ(FC)店を中心に出店が急拡大しています。

 FC方式で出店のスピードをアップするのは、うちが串カツの基準になっていくためです。別にFCだからもうかりそうって発想ではありません。創業したときだって、まさかここまでのチェーンになるとは思ってなかった。自分自身、そんなに戦略家ではないんです(笑)。

 ──1000店舗を目標に掲げています。

 ハードルはあります。ただ、創業1号店が東京・世田谷の住宅街のど真ん中にあって、そこでの成功体験が生きてきます。ここって、いわゆる“街の商店”ぐらいしか店がなくて、流動人口がほとんどないようなところ。それでも、オープンから10年ほどたちますが、地域密着で非常に高いリピート率。

 渋谷みたいな繁華街じゃなくて、世田谷の住宅街で勝てるってことが大事。だって、渋谷みたいな大きな繁華街って日本に何個あります?住宅街で十分経営が成り立つ商いができれば、日本中に結構なマーケットができます。ここで勝てるなら、どこの地域でも勝てるはず。年代も選ばず、日常使いができる居酒屋のポジションを狙う。

 ──急速な出店ができる秘訣はほかにあるのでしょうか。

 店内を見てもらえれば分かる通り、内装は非常に簡素。いすなんてパイプいすですから。内装のコンセプトもありますけど、それにしたって安いでしょ。出店コストを比較的安くすることで、投資コストの回収を早めていることも、新規出店が容易な理由の一つです。

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