最先端IT企業でも神棚のあるオフィスが多い理由(ダイヤモンド・オンライン)



 日本企業のオフィスに、ある意味で欠かせない存在の「神棚」。それほど信心深いとはいえない経営者でも、オフィスの神棚には毎朝手を合わせている、という人は少なくない。効率が重視されるオフィスという場所で、なぜ、神棚が長く生き残ってきたのか。(サンレー代表取締役社長・全国冠婚葬祭互助会連盟会長・作家 一条真也)。

● 最先端のIT企業にも なぜか神棚がある

 オフィスに神棚を設置している企業は数多い。誰もが名前を知る最先端のIT企業にも、神棚が存在するケースを私は知っている。若い人は、不思議に思うことが多いようだ。

 なぜ、多くの企業がオフィスに神棚を設置するのか──。

 もちろん、信教上の理由がある場合もあるが、必ずしもそればかりではない。むしろ、礼儀や集中力、感謝の心などの精神面を重んじる要因が大きいのではないか。つまり、神棚に手を合わせて祈ることには、経営者や社員の人格を高める等の効果があるからだ。

 そもそもITベンチャーなどは創業者による経営が多い。いわゆる、「困った時の神頼み」ではなく、「創業時の心を忘れない」などの精神的な充実を意識しているのではないか。

 実際、経営者である私自身も毎朝、神棚を拝んでいる。そのときに思うことは「神さま、お助けください」ではない。「ご先祖さま、今日も仕事があります。ありがとうございます」である。

 そう、私は「感謝の言葉」を述べているのである。何かを求めるのではなく、「現状」に対し「お礼」を言い続けている自分がいる。

 家庭に仏壇がある方も多いだろうが、役割はオフィスの神棚とまったく同じだ。神棚も仏壇も、ともにご先祖さまを意識する装置なのである。

 ご先祖さまを大切にすることで、自然と感謝する気持ちが身につく。それが「一流の人」をつくり、めぐりめぐって最高の幸福を与えてくれる。これこそが、オフィスの神棚の存在理由である。

 私は、けっして「一流の人」ではない。でも、「一流の人」になりたいと願っている。また、「ご先祖さまを大切にする」ことの有効性はよく理解しているつもりだ。

 というのも、私は冠婚葬祭の会社を経営している。結婚式や葬儀のお手伝いをする立場にいる。仕事柄、礼儀や「ご先祖さま」というものを意識する機会が多い。

 私の会社は、おかげさまで昨年、創立50周年を迎えることができた。「おかげさま」と書いたが、もし私が私利私欲で経営していたら、会社はもっと早く潰れていたと思う。

 でも、毎朝神棚に手を合わせ、冠婚葬祭という世の中で必要とされる仕事のお手伝いを真摯にしてきたからこそ、わが社は50周年を迎えることができたのだと考えている。

 こうした「おかげさま」の考え方こそが、「先祖を思う」ことにつながる。実はここにこそ、「幸福になる」法則があるのだ。

● 先祖を敬うことは 原点・初心に戻ること

 私は大学では経済学を学び、就職した広告代理店では最新マーケティングの手法を習得した。その後、父が創業した会社に入社して、数年後に社長になった。

 まず、私は経営学者ピーター・ドラッカーの著書をすべて読んだ。当時はバブル経済がはじけた後で、不況の波が会社を取り巻いていた。そこで、ドラッカーの「選択と集中」の理論を取り入れ、それに基づいて大幅に経営を見直し、会社を立て直してきた。本当に、ドラッカーにはいくら感謝しても感謝しきれない。

【関連記事】


こんな記事もよく読まれています



コメントを残す