学生たちの”あったらいいなあ~”から製品化「Mono-Coto Innovation」 – CEATEC JAPAN 2017



「つながる社会、共創する未来」をテーマに開催されたCEATEC JAPAN 2017。出展されていたブースを見回してみると、企業間でのコラボレーションで新たなサービスを創出し、お互いが持っている強みを活かし合っているケースが多数見受けられた。今回ピックアップするCurio Schoolは、“企業と中高生の共創の場”を提供する活動を標榜しており、知的好奇心を育み、創造する姿勢や他者と共同してコトに当たる姿勢を育む取り組みを行っている企業だ。

今回ピックアップしたCurio SchoolのオフィシャルWebサイト

CEATEC会場では、同社が取り組んでいる中高生向け共創の取り組み「Mono-Coto Innovation」で誕生したアイディア・具現化されたプロダクトが展示されていた。このMono-Coto Innovationは、企業から提示されたテーマや課題に沿って中高生がチームでアイディアを考え競い合い、ファイナリストは約半年間企業の担当者とともにプロトタイプを作成するというもの。

単なるアイディアコンテストではなく、チームでひとつの考えを纏め上げるために意見を交換し合い、最終的にひとつのプロダクトを生み出すという、ものづくりに欠かせない「発想力」「コミュニケーション力」「技術力」といった能力を身につけることができるプログラムだ。余談ではあるが、参加学生には一切の費用負担がない(注:2017年10月3日取材時点)。といっても企業側にも本プログラムに参画・協賛するメリットはある。オーソドックスな部分で言えば、中高生に自分の企業を知ってもらえる機会が得られるのはもちろん、中高生が持つフレッシュな感性や意見を得ることができ、今後の商品開発やマーケティング、販売促進に役立てることも可能だ。また、ファイナリストとともに半年間でひとつのプロダクトを作り上げるため、ファシリテーション能力向上にもつながることだろう。

Curio Schoolブース。昨年開催されたMono-Coto Innovationでファイナルまで進出したチームのプロダクトがコンセプトシートとともに展示されていた
運動部経験者なら水分補給でジャグを用いた経験もおありだろう。でもジョグって大きくてかさばって持ち運びが面倒なんだよね、と素朴に感じる問題がスマートに解消されている。中高生のアイディア……と侮るなかれ、である

閑話休題。会場で展示されていたプロダクトは、昨年開催されたMono-Coto Innovationにおいてファイナル進出を果たしたチームがアイディアをカタチにしたものだが、その発想はユニークかつ“学生だからこそ”なものが見受けられた。なかでも、スポーツを中心として社会に新たな価値を提案しているゼビオグループと中高生が生み出したプロダクトは秀逸だ。「中高生のスポーツ部活動の場で欲しくなるモノ」をテーマに、自身の体験や「あったらいいな」といった想いに着想を得て、「楽で楽しい新感覚ウォータージャグ『楽ジャグ』」を共創。特殊加工された布を採用することで携帯性を向上させつつ衛生面にも気を遣い、普段部活動で感じていた不便さや問題点を解消した結果、単に部活動というシーンのみならず、アウトドアや災害時にも活躍が期待されるプロダクトとなっている。

コンパクトでありながら使用する環境に依存しない操作性・利便性を追求したこのプロダクト。非常に精巧に作り込まれており、学生のみならず企業側の力のいれ具合にも感嘆させられた

他にも、「PC/パーソナルコンピューターの再定義」をお題として掲げた富士通デザインと学生が共創したプロダクトも面白い。「狭いテーブルでは使いにくい」「大人数で画面を見るのに苦労する」と、現在のノートパソコンは環境に応じて使いにくくなると感じている現状に対して、使用環境にとらわれないどこでも自由に使えるPCとして作り出された次世代コンセプトPC「ATOMOS」がそれだ。映像の出力、入力デバイスのいずれも投影型とすることで利用スペースを極小化。投影型映像出力装置を用いているので、大人数で画面を見ることも容易にしており、学生メンバーが考える「PCはパーソナルからシェアへ」という想いを実現していた。

ものづくりの愉しさ。アイディアからカタチにするまでの困難や喜び。これからの日本を背負って立つ若者とともに、それを支援しながら自らもその場で得られた経験や情報、ノウハウを実業に活かすという流れは、単にCSRの一環に留まることなく企業にとっても有益な場だと言えるだろう。若者をターゲットに新規事業を立ち上げたい、中高生ならではの発想に触れたい、自分たちでは気が付かないビジネスの種を探したい。そうお考えの企業担当者の皆さま、Curio Schoolの門を叩いてMono-Coto Innovationに参加してみては?




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